リーガルマインドとは ②

私は、「リーガルマインド」とは、いくつかの要素が重なり合っているものだと考えています。これは、私が企業法務で40年ほどキャリアを積んだ中での思いです。もちろん自分にそれが100%身についているということではありません。ただ、国内・海外の弁護士、裁判官や社内関係者はもちろん、お客様、仕入れ先、近隣住民、業界団体、他社の企業法務、公正取引委員会やアメリカの司法省、労働局や労働基準監督署などの行政機関、そのほかいろんな組織や人々とふれ合い、その影響を受けて、そこから多くを学んでしみついた実感です。

そこで、この実感のまま、「リーガルマインド」を形づくる要素を並べてみたいと思います。

その第1は、「法律のモノサシ」です。つまり、1つひとつの法律の条文から直接導き出される「○○ができる」とか「××はしてはいけない」というルールです。このルールがあやふやなまま「バランス感覚」を語っても、砂漠を地図なしで歩くようなものです。そもそも「バランス」とは言えません。

第2は、その法律のモノサシの「理由・目的」です。なぜそのモノサシがあるのか。なんのためにあるのか。そうしたことを考えて理解せずにルールを当てはめるのは、間違いのもとです。言い換えると「法律には必ず理由と目的がある」ということをいつも意識して、その「理由・目的」に照らしながらルールを利用する必要があります。

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