賃金とは ②

サラリーマン=雇用契約=労働契約(イコールは大まかです)の特徴は「自分の労働力を使用者にゆだねること」と言われます。これは、人によっていろいろな意味がこめられます。私は、その重要なひとつに、「自分の生活と、人生のかなりの部分を、会社にあずけること」があると考えます。

ですので、「労働」とは、文字通り目の前の「仕事をこなす」にとどまらず、「自分の生活と人生を会社にあずけながら仕事をこなす」ことを意味します。「賃金」とは、まさにそうした意味の「労働」への対価です。ただの「目先の仕事」、その意味での「労働力」への対価ではありません。この、「自分の生活と人生をあずける」点で、大工の親方との違いがあります。大工の親方も、まったく生活や人生をあずけていないわけではありません。ただ、あずけ方の程度は、ごくごく一般的に言うと、サラリーマンより低いです。

そう考えると、会社=使用者から見ると、「賃金」には大きく、①仕事をしてもらったことそのものへの対価と、②生活や人生をあずけてもらっていることへの対価との2つの意味があると言えます。社員の生活や人生をあずかることには大きな責任がともないます。その責任を果たす基本的な方法の1つが「それにふさわしい賃金をはらう」ことです。

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